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『ボンベイドリームス』音楽講座

演出家も、キャスト&スタッフ、そして制作スタッフもみんな虜になっている『ボンベイドリームス』の楽曲。
A.R.ラフマーンの魅力あふれる楽曲は、どのように生まれたのでしょうか。
実は『ボンベイドリームス』のために誕生した曲もあれば、
実はずっと以前からヒットをしていた楽曲も作品に盛り込まれているのです。
そんな名曲の数々を、ボンベイドリームスのストーリーに沿って少しご紹介いたします!


♪Love's Never Easy~♪Happy Endings

♪Ooh la la~♪Shakalaka Baby~♪Chaiya Chaiya

♪1 Love's Never Easy

第1幕、スラムの中でヒジュラ(第三の性とされる女装者)のスウィーティ(川久保拓司)がアカーシュ(浦井健治)に愛の気高さを説くナンバー「Love's Never Easy」は、ミス・ワールド1994からボリウッド女優No.1となったアイシュワリヤー・ラーイが女優として認知された「Taal(律動)」(1999)に書き下ろされた「Ishq Bina(愛なくして)」が原曲。
山村を訪ねて楽師の娘アイシュを見初めた実業家の息子がイスラーム教徒の結婚式で彼女の歌声に強く惹かれる場面で、ーー愛なくしていかに死ねよう、愛なくしていかに生きよう。愛は粗糖より甘く、木の実よりほろ苦い、と唄う可憐な女性プレイバックシンガー(吹替歌手)に男性シンガーが甘く微睡む歌声で返す。結婚式で演奏するイスラーム楽団のサビではA・R・ラフマーン自身が唄い、イスラーム神秘主義(スーフィズム)に則った陶酔的な名曲として知られる。原曲の歌詞にあるアラビア語の「rab(神)」が英語の「love」を連想させるが、ミュージカル版では第三の性として生きるスウィーティ達が唄う事で男女の性差を超えた崇高な愛の精神を説いている。

♪2 Happy Endings

服役中の映画プロデューサー マダン(安崎求)と、社会派映画監督志望の愛娘プリヤ(すみれ)が初演出となるミス・ワールド・コンテストを巡っての言い争いで、プリヤの口から衝いて出るナンバー「Happy Endings」は、インド映画定石のハッピー・エンドでヒットを飛ばしながらも裏ではギャングと手を組まねばならなかった父への反発心が見て取れ、このミュージカルを単なる「大衆娯楽」で終わらせたくなかったアンドリュー・ロイド=ウェバーと脚本を手がけたミーラ・サイアルの思いが感じられる。
原曲は、南インド映画界出身のA・R・ラフマーンが全国にもその名前が知られ、初めてボリウッド映画界に進出した「Rangeela(ギンギラ)」(1995)のヒット・ソング「rangeela re(ギンギラになれ)」。
子役からセクシー女優に成長したウルミラー・マートンドーカルが露天商のキネトスコープ(映画フィルムの覗き箱)を覗いては映画女優になりきって街で踊り出すドリーム・シークエンスで、フィーチャリングされた大御所プレイバック・シンガー、アーシャー・ボースレー(当時御年62歳)の艶声が実に心地好く、近年にはインドのJKギャルがイケメン教師を誘惑するカバー・リミックスも制作されている人気ナンバー。

♪3 Ooh LaLa

美人コンテストに反対するスウィーティ(川久保拓司)らヒジュラー達がミス・ワールドの会場に乗り込んでは妨害しようとする場面で、劇中イベントのオープニングとしてコーラスで歌われるナンバー「Ooh La La」は、90年代後半にボリウッドのトップ女優となったカジョールが南インドへ招かれタミル語映画に唯一出演した「Minsara Kanavu(感電する夢)」(1997)のしゃれたラテン風ナンバーから。 カジョールの役どころは、「ボンベイ ドリームス」でミス・ワールド・コンテストを演出するプリヤ(すみれ)と同名のヒロインで、彼女をイカサマ芝居で気を引こうとする主人公達のもくろみをかわした後、カジョールが歌い出しカーニバルさながらに盛り上がる。
この頃のカジョールは、キング・オブ・ボリウッドとなるシャー・ルク・カーンとの共演作「DDLJラブゲット作戦」(1995)がスーパー・ヒットとなり、全国的に人気沸騰のさなか。しかも「DDLJ」はインド最長のロングラン記録を誇り、2014年にはなんと1000週連続上映を達成するほど今も愛され続けている。

♪4 Shakalaka Baby


*ボリウッド・リメイク版公式
ロンドンでの「ボンベイ ドリームス」初演時にヒロイン(日本版では、すみれ)役プリヤ・カーリーダースによるシングルカットとプロモーション・ビデオが制作され、UKチャート38位にランクインし、英国で「ボリウッド」を感じさせるナンバーなら「Shakalaka Baby」と言えよう。
原曲は、A・R・ラフマーンが南インド映画「Mudhalvan(州首相)」(1999)のために書き下ろし、ミス・ユニバース1994のスシュミター・セーンがゲスト出演したプロモーション撮影という設定になっていて、ボリウッド・リメイク版でも使われていた。
それにならってか、「ボンベイ ドリームス」の劇中でもボリウッド大女優ラニ(日本版では、朝海ひかる)の相手役に抜擢されたアカーシュ(日本版では、浦井健治)がダンス・シーンの撮影に望むという形で踏襲しているが、振付を施したファラー・カーンが大胆にもインド映画お約束の「雨の濡れ場」演出をステージに持ち込み、噴水の中でセクシーに揺れ動くのが見物!
ラフマーンのアレンジはよりポップに進化していて、2007年にはシンガポール生まれで台湾で活躍するケリー・パン(潘嘉麗)がキュートにカバー。今回の日本版ではどのように仕上がっているか、実に楽しみだ。

♪5 Chaiyya Chaiyya


*Venus公式
A・R・ラフマーンを映画音楽の世界に引き立てた南インド映画界の巨匠マニ・ラトナム監督作「ディル・セ 心から」Dil Se..(1998)よりシャー・ルク・カーンとゲスト・ダンサーが渓谷を行く列車上で踊る「chaiyaa chaiyaa(影よ影よ)」。深遠な男性シンガーと威勢のよい女性シンガーの歌声が交差する陶酔感は絶品で、スーフィズム(イスラーム神秘主義)を取り込んだラフマーン楽曲中、最も有名かつ不朽の名曲とされ、作詞グルザールとのコンビでは後に「スラムドッグ$ミリオネア」でのオスカー受賞へと結実した。
振付を施したファラー・カーンは「ボンベイ ドリームス」の振付も担当し、回転する円形階段の上で群舞を展開させ、ヒーローとなるアカーシュ(日本版では、浦井健治)にも赤いジャケットを着させるなど、と映画のイメージへのこだわりを感じさせる。
2006年には、楽曲に惚れ込んだスパイク・リーが監督したアメリカ映画「インサイドマン」のオープニングとエンディング・ソングに使用され、特にエンディングではインド系英国人のラッパー、パンジャビーMCのラップがミックスされていた。また、2013年には、スリランカ生まれで英国で活躍する新進シンガー、アルジュンがリミックス・カバーしている。

文:すぎたカズト

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