スト-リー

アンドリュー・ロイド=ウェバー版では語られなったもう一つの「オペラ座の怪人」。なぜ、彼が怪人と呼ばれるのか。あなたは真実の「ファントム」を知る。

この作品は、フランス人小説家ガストン・ルルーが1911年に発表した怪奇小説「オペラ座の怪人」を原作としたミュージカルです。
「オペラ座の怪人」は、数多く映画化、劇化、ミュージカル化されていますが、数々の作品の中でも、ミュージカル「NINE(ナイン)」の名コンビ、アーサー・コピット/モーリー・イエストンによるこの「ファントム」は、怪人ファントムの人間像に焦点をあてたストーリーと、独創的な楽曲が多くの人々を魅了し、世界中で高い評価を受けています。

ファントムの住む精神世界こそが純粋無垢な美しい世界

これまでの「オペラ座の怪人」では、ファントム=怪人として演出されてきたが、鈴木勝秀はファトムの住む精神世界こそが純粋無垢な美しい世界であり、この物語はファントムが愛することを知り、亡霊から人間へと再生する愛の物語、愛するが故の悲劇を一番のテーマとして演出されています。


19世紀後半のパリ、オペラ座通り、遅い午後。
無邪気で天使のように美しい娘クリスティーン・ダエーが、歌いながら新曲の楽譜を売っていた。
群集の中にいたシャンドン伯爵(フィリップ)は、彼女の声に魅せられ引き寄せられる。
オペラ座のパトロンの一人であるフィリップは、クリスティーヌがオペラ座で歌のレッスンを受けられるよう取り計らう。

オペラ座では支配人のゲラールが解任され、新支配人のショレが妻でプリマドンナのカルロッタと共に迎えられた。
ゲラールはショレにこの劇場には幽霊がいることを告げる。そしてオペラ座の一番地下にある小さな湖のほとりが彼の棲家で、自らを“オペラ座の怪人”と呼んでいると。
しかしショレは、これは解任されたことの仕返しとしてゲラールが自分に言っているに過ぎないと取り合わなかった。
オペラ座を訪ねてきたクリスティーンを見たカルロッタは、その若さと可愛らしさに嫉妬し、彼女を自分の衣装係にしてしまう。
それでもクリスティーンは憧れのオペラ座にいられるだけで幸せだった。

ある日、クリスティーンの歌を聞いたファントムは、その清らかな歌声に、ただ一人彼に深い愛情を寄せた亡き母を思い起こし、彼女の歌の指導を始める。
ビストロで行われたコンテストで、クリスティーンはまるで神が舞い降りたかの如く歌った。
クリスティーンの歌声を聞いたカルロッタは、彼女に「フェアリー・クィーン」のタイターニア役をするよう進言する。
フィリップはクリスティーンに成功を祝福すると共に、恋心を告白する。
ファントムは幸せそうな二人の姿を絶望的な思いで見送るのだった。

「フェアリー・クィーン」初日の楽屋。
カルロッタはクリスティーンに酒盃を差し出した。
これはクリスティーンを潰すための罠だったのである。
毒酒と知らずに飲んだクリスティーンの歌声は、ひどいありさまだった。客席からは野次が飛び、舞台は騒然となる。
怒ったファントムが、クリスティーンを自分の棲家に連れて行く。
それはクリスティーンへの愛情の表現にほかならなかった。
しかしそれが、やがて彼を悲劇の結末へと向かわせることとなる……。