公演詳細

ミュージカル
『モンテ・クリスト伯』

※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

壮大なスケールと豪華キャストで現代に蘇る
愛と復讐のミュージカル・ロマン
「岩窟王」として有名なアレクサンドル・デュマ作の19世紀大河ロマン小説を、
フランク・ワイルドホーンと盟友ジャック・マーフィが完全ミュージカル化!
モンテ・クリスト伯の復讐譚を壮大でメロディアスな音楽にのせてお贈りする
ドラマティック・ミュージカル作品がこの冬、日本初上陸!

※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

公演概要

音楽 フランク・ワイルドホーン
脚本・歌詞 ジャック・マーフィ
演出 山田和也
出演 エドモン・ダンテス/モンテ・クリスト伯:石丸幹二
メルセデス:花總まり
出演 モンデゴ:岡本健一
ヴィルフォール:石川禅
ダングラール:坂元健児
女海賊ルイザ:濱田めぐみ(Wキャスト)
女海賊ルイザ:彩吹真央(Wキャスト)
ファリア神父:村井國夫

船主モレル:林アキラ
ジャコポ:岸祐二        ほか

舞台写真

東京公演より舞台写真が届きました!

写真提供/東宝演劇部

インタビュー

「モンテ・クリスト伯」公演に先駆け、
石丸幹二さん&花總まりさんのインタビューをお届けします!

スコット・エリオット
※左から石丸幹二、花總まり
ミュージカル『モンテ・クリスト伯』に主演する石丸幹二さんと花總まりさん。
それぞれ劇団四季と宝塚歌劇団で華々しく活躍し、今回めぐりめぐって共演を果たします。
そのふたりの初共演となった記念すべきステージ「kanji ishimaru in concert 2013」が、6月28日に大阪・サンケイホールブリーゼで開催。
いち早く初々しいふたりをキャッチし、『モンテ・クリスト伯』に向けてのお話などをうかがいました。

このコンサートでおふたりは初共演となりますが、お互いの印象はどうですか?

石丸:彼女は宝石みたいな人だなと思っていたんですけど、実際お会いすると本当に宝石の中からふわっとオーラが出てくるというか、中から湧き上がってくるものがすごいあるんですよ。
花總:いえいえそんな…。石丸さんは優しいです! いろんなことに気を遣って
下さって。

石丸さんは'90年に劇団四季に入団、花總さんは'91年に宝塚歌劇団に入団と、奇しくも同じ時期に舞台デビューされ、今こうして共演されるのは不思議なご縁かなと思うのですが…。

石丸:ですよね。同じようなキャリアを歩んできて…これは運命ですよ!
花總:キャリアは全然石丸さんの方が…。私には「違いのわかる男」で(笑)※かつて石丸さんが出演した珈琲のCMのフレーズ
石丸:そんなのありましたね~(笑)
花總:私にとっては雲の上の方だったので、今回ご一緒できるなんて信じられないし、夢みたいです。
石丸:僕にとっても夢みたいです。このコンサートではまりさんが得意にされているナンバーはもちろん、ふたりでしかできないデュエットもいろいろ考えました。『モンテ・クリスト伯』のデュエットも名曲がたくさんあるんですが、あえて今回はご披露せずに、もう少しじらして(笑)
花總:12月の劇場で!
石丸:僕らの声を合わせるとこうなるんだよ、ということを知ってもらえたらなと思い、初々しい曲も選びました。『モンテ・クリスト伯』でも初々しい出会いから始まるので、そういうシチュエーションに似ている曲を盛り込みました。


実際声を合わせられていかがでしたか?

花總:私はすごく緊張しました。
石丸:そうですか!? そんなふうには感じませんでしたよ。歌い始めるとこの方は、キャラクターにストンと入っていかれるんですよ。
花總:そんなことないです! 私はとにかく、石丸さんはいろんな女優さんと共演されていらっしゃるから、「あれ? こんな人と僕は今度やるのか」とがっかりさせてはいけない、とプレッシャーを感じてました。
石丸:いえいえ、とても楽しかったです(笑)


「岩窟王」として知られるアレクサンドル・デュマ作の『モンテ・クリスト伯』は、数々の映画や舞台にもなり、最近では宝塚宙組でも舞台化されました。

石丸:宝塚、観に行ったんですよ、一緒に。
花總:はい!
石丸:予習をしに行きましたね(笑)
花總:もちろん物語の流れは一緒ですけど、私たちがやるのとは違う宝塚バージョンということで、純粋に楽しませていただきました。石田昌也先生ならではの面白いところもあり、結構笑ったりも!
石丸:ね! 僕らがやる『モンテ・クリスト伯』は韓国で今、上演中らしいので、タイミングが合えばぜひ観に行きたいです。


日本初演となるミュージカル『モンテ・クリスト伯』の大きな見どころはどこでしょうか?

石丸:もう名曲揃いなんですよ。もともとフランク・ワイルドホーンさんはポップスからクラシックに近いものまでいろんなメロディを書かれるんですけど、まさにこの作品は冒頭から分厚いコーラスの宗教曲みたいなのから始まり、ガラッとエドモンとメルセデスのラブデュエットに変わるんです。聴いているだけで、遊園地の中を走り回ってたくさんの乗りものに乗っているように楽しくて。本当にいろんな楽曲が盛りだくさんです。何と言ってもドラマティックな話なので、感情移入してその役に入っていけば、そのまま突っ走っていけそうな感じだよね。
花總:そうですね。自分にとっていい意味でまた勉強になると感じています。


石丸さんは『GOLD ~カミーユとロダン~』『ジキル&ハイド』、花總さんは『NEVER SAY GOODBYE』『ドラキュラ』と、フランク・ワイルドホーンさんのミュージカルにご出演経験がありますね。

花總:またワイルドホーンさんの世界に入っていけるというのはすごく嬉しいです。本当にメロディーラインが素敵ですし、盛り上がっていく過程がゾクゾクするような曲が多いので。
石丸:先日、ワイルドホーンさんに歌のレッスンをしていただいたんです。面白かったのが、彼は「君たちに合わせて変えるよ」と言って下さったこと。まりさんの声やキーに合わせたフレーズを作ってくれたりとかすごく柔軟でした。きっと舞台では自分らしさが出せる、他の海外とは違う日本版ならではのものをお客様にお届けできる予感がします。


大阪公演は2014年の1月3日開幕です。ぜひ意気込みをお願いします。

石丸:大阪には練りに練ったものがやって来ますよ!
花總:そうですよね! 東京公演の後ですし、たった5回の公演なので凝縮された公演になると思います。
石丸:エドモンとメルセデスは最初すごく幸せなんだけど、事件があって引き裂かれて再会したときには複雑な苦しい状況にあるわけです。僕とまりさんは同じようなキャリアで俳優生活を続けてきて、若い役もやっているけど、今回の『モンテ・クリスト伯』は14年の月日を飛び越えていくので、大人の自分を表現する場にもなると思います。最初と最後で同じ人間がこんなふうに成長していく、というのを僕とまりさんだったら出せるんじゃないかな。
花總:はい、頑張ります。
石丸:テーマは愛と復讐、そしてそれぞれが自分に気づき、自分を「見つめる」ということですかね。お客様にも「自分の人生はどうなんだろう」と思ってもらえる、そんなお持ち帰りのおみやげが付いてくると思います(笑)。どうぞお見逃しなく!

取材・文/小野寺亜紀

レポート

6月28日に行われました、
「kanji ishimaru in concert 2013」大阪公演レポート!

6月26日発売の石丸幹二さんセカンド・アルバム「Love Songs」。
そのリリースを記念して、6月28日に大阪のサンケイホールブリーゼで石丸幹二さんのコンサートが開催されました。
ゲストはミュージカル『モンテ・クリスト伯』で共演する、元宝塚歌劇団娘役トップの花總まりさん。
この日が正真正銘の初共演とあって、観客も大きな期待をもって見守っているのが伝わってきます。
スターの輝きを放つふたりがあらゆる舞台を経てどんな出会いを果たすのか。
そのホットなコンサートの模様をレポートします!

 大阪では一夜限りとなった贅沢なコンサート。
スタートは、アルバム「Love Songs」にも収録されている「L-O-V-E」を、石丸さんが指を鳴らしながら軽やかに歌い、幕を開けます。
ピアノ、ベース、ドラムなど少数精鋭のバンド編成により、「Something's Coming」、ミシェル・ルグランの名曲「シェルブールの雨傘」などお馴染みの曲もジャズ風、ボサノバ風などお洒落にアレンジされて、観客の耳に心地よく届けられます。

一方で、石丸さんの豊かな声量を生かしたダイナミックな曲も次々と登場。
'11年に出演したフランク・ワイルドホーン作曲のミュージカル『GOLD~カミーユとロダン~』からは「翼を拡げて」。
目を閉じ甘く切ないメロディを静かに歌い始め、壮大なサビへと感動的に盛り上がっていきます。
彫刻家オーギュスト・ロダンの愛と苦悩、さらにはただひたすら愛する人を見守る男の大きさが、その歌声から立ち上がってきます。

同じく、フランク・ワイルドホーンの代表作『ジキル&ハイド』より「時が来た」も披露。
言うまでもなく石丸さんの代表作であり、『GOLD』と同様に第37回菊田一夫演劇賞受賞へと導いた名舞台のビッグナンバーです。
劇場が波打つような迫力はまさに圧巻!
石丸さんの豊かで深みのある歌声が、ワイルドホーンのドラマティックな響きと見事にハマることを改めて実感した一瞬でした。

 そして「今日は日本で初めてエリザベートを演じた方をお招きしています」と花總まりさんを笑顔で紹介。
「楽屋で素敵な歌声を聴いていました」と話す花總さんに、「僕たちは同期生ぐらいなんだよね!」と明るく話す石丸さん。
常に尊敬の眼差しで応える花總さんが初々しい限り。

そんなトークのすぐ後、ミュージカル『エリザベート』より「私が踊る時」のイントロが流れると、一瞬にして花總さんの表情が一変!
黄泉の帝王・トート演じる石丸さんをキリッとにらみ、細い身体から生命力あふれる歌声でエリザベートの決意を歌い出します。
石丸トートも負けじと対峙。
マイクを手に向かい合っての掛け合いに、思わず息をのみます。
花總さんにとっては東宝版「私が踊る時」の貴重な初お披露目となりました。
石丸さんは「音が入るとエリザベートになるんですよね~!
怖いぐらいでした(笑)」と最大級の褒め言葉。
花總さんは、先ほどの表情が嘘のような笑顔に戻ります。
そして花總さんは一人残り、『エリザベート』を代表する名曲「私だけに」を歌います。
伸びやかなソプラノはますます磨きがかかり、豊かな表現力が加わった見事な歌いっぷり。目には涙が。
その姿を見た石丸さんは、「いいものを見せてもらいました」としみじみ。

 2幕ではミュージカル『ロミオとジュリエット』より「Aimer」が登場。
このサプライズな選曲には客席も大いに沸きました!
純粋に愛だけを信じる無垢な魂を歌い上げた珠玉のデュエット。
しっかりと見つめ合うふたりは、そのままショーケースに入れたいぐらいの絵になるカップル。
石丸さんと花總さんの声質がとてもよく合い、奇跡的に融け合った夢心地となるデュエットに。
さらに石丸さんの舞台デビュー作『オペラ座の怪人』から「All I Ask of You」も披露。
クリスティーヌ役をミュージカル『ファントム』で演じている花總さんも、この曲を歌うのは初めて。
経験豊かな石丸ラウルに導かれるように、これまた美しいソプラノで応えます。
品のあるふたりのベストコンビぶりを決定づけるような愛のナンバーに観客もうっとり。

 ラストはミュージカル『美女と野獣』より、ビーストの力強いナンバー「愛せぬならば」。
メロディの高まりとともに歌声は厚みを増し、最後はガッツポーズのように腕を振り上げ熱唱。
石丸さんの迫力ある歌声に割れんばかりの拍手が贈られました。
一曲一曲にドラマが宿り聴き応えたっぷりだった石丸幹二さんのコンサート。
すでに息ぴったりのふたりを目の当たりにし、舞台本格共演となるミュージカル『モンテ・クリスト伯』にますます期待が高まりました!

取材・文/小野寺亜紀