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蓬莱竜太作、岸田國士戯曲賞受賞の傑作戯曲が
日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)の新演出で上演決定!
祭りの夜、本家に集った女たちが
織りなす赤裸々で軽快な会話劇。
ストーリー
とある田舎町、祭囃子が聞こえる中、宴会の準備をする母・ヒロコ(高橋惠子)。長女・ミドリ(早霧せいな)は東京に出ていき仕事を理由に結婚をせず、次女・キョウコ(中村ゆり)は父親不明の娘・ユリア(生越千晴)を出産し今もこの家に住み着いている。かつて地元の名家として知られた藤木家は男の跡取りもなく、ヒロコは娘たちに苛立っていた。
そんなある日ミドリが突然帰ってくる。さらにユリアまでもが前触れもなく現れる。祖母・タマエ(三田和代)、見知らぬ近所の子供・マオ(安生悠璃菜・八代田悠花)も加わり、女たちの赤裸々な会話が進む中、ミドリから衝撃的な告白が―
母・ヒロコ役 高橋惠子
■ コメント
およそ2時間、駆け抜けるような作品です。たった1日の間に、家族が次から次へと大きな問題を持ち込んできます。母ヒロコは伝統を重んじ、「本家」を守り受け継がせていきたいと強く思っている人です。彼女の考えとは相容れない問題の数々に言い争いになりますが、そこは表面上のやり取りだけで終わらせたくないですね。相手を思う気持ちが流れている、家族同士のやり取りとして色濃く見せていきたいです。一方で親として自分の子どもにどう反応し想いを受け止めるのか、台詞の中に“神様のおぼしめし”とあるのですが、命の誕生など人間の力だけではどうにも出来ないことが起きたときに、自分が何を大事にするのかを改めて考え、それが見えたところで前に踏み出す。たった1日ですが色々な問題に直面する中でヒロコは変化していくのだと思います。
平成が終わる時期での上演となりますが、時代が変わっても変わらないもの、大切にしなければならないものを、笑いながらほろりとしながら、フッと立ち返って考える作品になりそうです。