ミュージカル『グランドホテル』会見を行いました!【詳細あり】

更新日:2016/4/10

2016年4月7日、赤坂ACTシアターにてミュージカル『グランドホテル』の会見を行いました。
会見には、16名のキャストが出席。それぞれ、役の見どころや作品の魅力を語りました。

囲み取材

中川晃教
<オットー・クリンゲライン役 [GREEN]>

──ご自身の役についてお聞かせください

オットー・クリンゲラインはユダヤ人で、重い病気を患っているという役です。
余命を医師から宣告され、限られた残りの人生をこのグランドホテルで生きたい、グランドホテルで人生を探したい、そう思っている人物です。(人生最後の)光をまとっているかのような、そんなクリンゲラインを生きたいと思っています。

──作品の見どころは

ノンストップで約2時間、休む間もなく舞台の端から端まで堪能していただける舞台となっております。
集中して演じていきたいですが、お客様にも集中力が必要かもしれませんね(笑)

──REDチームについて

稽古場でも、前半は同時に稽古していたのですが、後半は別々だったんです。
そのせいか、僕にとってRED teamは気になる存在なんです。おそらく、千秋楽を迎えるまで、ずっと気になり続けるだろうと。
でも、そう思えるのは、2チームで公演する『グランドホテル』ならではのスペシャルな気持ち。
全員一丸となって、最後まで怪我なく頑張っていきたいです。

成河
<オットー・クリンゲライン役 [RED]>

──作品の見どころは

とてもスピーディーでアグレッシブなミュージカルになると思います。
REDにしてもGREENにしても、とても華やかできらびやかで、それと同時に影があるような、哲学的なメッセージもこめられている作品です。

──ご自身の役についてお聞かせください

オットーは、この作品の中でも、凄く哲学的なメッセージを背負っているところがあります。そういう部分を是非感じていただきたいと思います。

──(同じオットー役の)中川さんについて

会うのは久しぶりなんです。この二週間ばかりは完全に別々の稽古でしたので。
今日、楽屋で台本の話をしたら止まらなくなっちゃって。
(中川さんとは)同じオットーの分身ですが、それぞれの違いを楽しみたいと思っています。

安寿ミラ
<エリザヴェータ・グルシンスカヤ役 [GREEN]>

引退間近のバレリーナであるグルシンスカヤですが、年齢を重ねてきたからこそ頂けた役だと思っております。
人生に絶望したバレリーナが男爵と出会って、生きる喜び、踊る喜びを取り戻す、その過程を精一杯演じたいと思います。

──(同じグルシンスカヤ役の)草刈さんについて

稽古が別々な上に、ダブルキャストが初めての経験ですので、「(草刈)民代ちゃんだったらどうするだろう?」「今、頑張っているのかな」と、凄く気になる存在です。

草刈民代
<エリザヴェータ・グルシンスカヤ役 [RED]>

私もバレリーナでしたので、稽古場で久しぶりにバレエの衣裳を着たりして、踊っていたときの自分を思い出しました。
今の年齢だからこそ出せるような恋心など、楽しみながら精一杯演じたいと思います。

──(同じグルシンスカヤ役の)安寿さんについて

幕が開いてからもどんどん変わると思いますし、男爵の宮原さんとの関係性がどんな風に変化していくのか、楽しみにしています。

宮原浩暢[LE VELVETS]
<フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役 [GREEN]>

フェリックス・アマデウス・ベンヴェニュート・フォン・ガイゲルン男爵という役を演じます。
常にスリルを楽しんで生きてきた男、今まで誰のことも本当に好きになったことがない男が、初めて真実の愛に気付くというところ、年の離れた恋愛を、観てくださるお客様に楽しんでいただけて、「自分も恋をしたい」と思っていただけるようなキャラクターを演じていきたいと思います。

──(同じ男爵役の)伊礼さんについて

最初、僕は芝居が全く分からない中、伊礼さんには、本当に一から教えてもらいました。
稽古が進んでGREENとREDが会わなくなった後は、自分なりに一所懸命努力しながら男爵を作ってまいりました。
一緒に頑張っていきたいです。

伊礼彼方
<フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵役 [RED]>

男爵は、1928年──時代背景としては、爵位を剥奪される手前くらいの頃なのですが、そんな時代でも生活レベルを下げられない、必要なものではなく欲しいものを得てしまう、そういう人物です。
そんな中で、やっと出会えた一筋の光・グルシンスカヤに恋をして、それがどういう結末になるのか。
REDとGREENでは、違う結末になりますので、両方とも観ていただければと思っています。

──(同じ男爵役の)宮原さんについて

2チームだと、どうしてもライバル心が芽生えますね。
宮原さんはミュージカルは初めてですので、最初は、色々とアドバイスさせていただいたり、逆に宮原さんからは、歌のことや譜面のことなど教えてもらったりしながら切磋琢磨していたのですが、(稽古がGREENとREDで別々になり)会わなくなると、やっぱり、負けていられない!と思いますよ。
グルシンスカヤと男爵のシーンも、演出が違うんです。今日、初めてモニターでみて「こんなに違うのか」と。こういうアプローチの仕方もあるのか、と悔しい思いもあります。
これはもう、REDとGREENのバトルだと思っています(笑)

昆 夏美
<フレムシェン役 [GREEN]>

フレムシェンは、若きタイピスト、ハリウッド女優を目指す女の子です。
なぜハリウッドに行きたいのか、なぜ自分の生活から抜け出したいのか、彼女の根底に何があるのか、深く突き詰めてお芝居をしていきたいと思っております。
今回はGREENとRED、ストーリーの違いのみならず、こんなに一つの作品が全然違う結末になるというのは面白い試みですし、皆様に両チームとも観ていただきたいと思っています。

真野恵里菜
<フレムシェン役 [RED]>

フレムシェンは、今の生活から抜け出したい、自分の夢をかなえたいという一心なので、そのひたむきさ+私自身がミュージカル初挑戦で分からないことだらけなこと、そこを重ねて、私らしいフレムシェンを演じられたらと思っております。
作品の結末の違いもですが、ダブルキャストの違いも面白く感じています。
REDもGREENも両方楽しんでいただけたら嬉しいです。

戸井勝海
<ヘルマン・プライジング役 [GREEN]>

REDの吉原さんとは全然違う役作りをしているのではないかと思いますが、私の場合は、誠実に誠意を持って家族大好きで生きてきた男が、会社と家族を守るためについた、たったひとつの嘘──そこから人生の坂道を一気に転がり落ちていく。そんな男を、優しく哀しく演じられたらいいな、と思っております。
結末だけではなく、途中の演出も、役者の動きも、全部違いますので、一日も早くREDを観てみたいと思っているところです。

吉原光夫
<ヘルマン・プライジング役 [RED]>

プライジングという役は、器の小さい男なら分かるのではないか、という役なので、やりやすいかな(笑)、と。
(GREENと比べて)REDのほうが、1ナノ(笑)くらいは面白いと思うので、是非、REDのほうをたくさん観にいらしてください。

樹里咲穂
<ラファエラ役 [GREEN]>

グルシンスカヤに尽くす、付き人のラファエラ役を演じます。
ラファエラは、一言でいうと「愛」。グルシンスカヤを心の底から愛していて、しかし女性である故に越えられないものがある。そこに葛藤する姿に、共感していただければ嬉しいです。

土居裕子
<ラファエラ役 [RED]>

こうやって樹里さんと並ぶと、まるで樹里さんのミニチュアのようですが(笑)
色々な愛の形がある中で、女性に恋をするという役を、生まれて初めて演じることができて非常に幸せです。
草刈さんを愛し尽くしてしまおうと思っております。
人それぞれ違う愛の形、幸せの形、それがどの方向を向くか、それもこの作品の見どころではないかと思います。

光枝明彦
<オッテンシュラッグ医師役 [GREEN]>

私の役は、誰からも愛されず、愛することもない、大変冷たい役とも言えますが、狂言回し的な部分もあります。
この作品は1928年、第一次世界大戦が終わった後の話で、(オッテンシュラッグ医師は)戦争を体験した軍医です。
演出家のトムから言われたことですが、当時「先に何が起こるか分からないが、極楽トンボのように地獄の上を舞い遊んでいる人々」とそうではない人々がいました。
誰が極楽トンボで、誰がものの分かった人間なのか、その辺りもどうぞお楽しみください。

佐山陽規
<オッテンシュラッグ医師役 [RED]>

とても孤独な役、周囲からは距離を置いている役です。
直接、他の人と芝居をする場面はあまりないので、その距離感をどう演じ、測っていくかが難しく感じるところです。
光枝さんと同じ役ということで、非常に緊張しています。
今日はじめてGREENのラストを観たのですが、本当に違うので、是非、両方とも観にいらしてください。

藤岡正明
<エリック役>

エリックは、ホテルで働きながら、我が子の誕生を今か今かと待っている役です。
リアリティのある父親を演じていきたいと思っております。

──シングルキャストは両チームともご存知ですよね

GREEN・RED両チームと稽古をしてきましたが、本当に違います。こんなに違うと覚えるの大変という(笑)
まったく別の作品を観るつもりで来ていただいても良いのではないでしょうか。
トムの演出も、同じシーンでも役者に指示している内容、ニュアンスや方向性が少しずつ違うんです。
両方観ていただいても、全く違った感想・印象を持っていただける作品に仕上がったのではないかと思います。

湖月わたる
<スペシャルダンサー>

この作品のテーマである「愛」と「死」、その象徴的な存在として居られたらいいなと思っております。
GREEN・REDと、同じ曲ですが全く違う振付で、素敵な男爵さんとボレロを踊り、死の接吻をいただき?(笑)、幸せに踊っています。
稽古場から、感動とワクワク感を感じていました。(舞台稽古に入り)客席から照明とセットの中にキャストが居るのを見て、1928年のベルリン、グランドホテルを実際に感じました。

──両チームの違いについて

GREENとREDは、セットの転換も違ったり、場面の見え方も違うので、その違いも面白く感じていただけると思います。
踊っていて感じるのは、「大人の魅力、エネルギッシュで戦っている(RED)」「生まれ持った貴公子、穏やかな中の情熱(GREEN)」でしょうか。

たくさんのワードが飛び出した会見でしたが、果たしてご覧になる皆様は、どのように感じられるでしょうか。

さて、会見の後には、REDの稽古が一部公開されました。
全体的に「秀麗」という言葉がピッタリくるような美しいセットに照明。
そして、当時の衣裳を身につけ息づく役者が、我々を1920年代ベルリンへいざなうかのようです。

ミュージカル『グランドホテル』RED team
成河
草刈民代・伊礼彼方
ミュージカル『グランドホテル』グランドパレード

東京公演:2016/4/9(土)〜4/24(日) 赤坂ACTシアター
名古屋公演:2016/4/27(水)、4/28(木) 愛知県芸術劇場大ホール
大阪公演:2016/5/5(木・祝)〜5/8(日)梅田芸術劇場メインホール

にて上演いたします。

皆様のお越しをお待ちしております。

チケット購入

撮影:GEKKO