公演詳細

hana -1970、コザが燃えた日-

栗山民也×畑澤聖悟(こまつ座「母と暮せば」)と松山ケンイチが初タッグ!
常に時代と向き合い演劇の力を信じて力強い作品を送り出している演出家・栗山民也が長年見つめてきた沖縄を題材に、同志のようと信頼する作家・畑澤聖悟に書き下ろしを託し、その演技力を舞台の上で観たいと待ち望まれ、ついに会話劇初主演となる松山ケンイチと初タッグを組む。
タイトルは『hana-1970、コザが燃えた日-』沖縄返還50年目の2022年。返還直前の沖縄に生きる人々を描く意欲作!

公演概要

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2022/2/5(土)2022/2/6(日)

一般発売日
2021/12/11(土)
料金
全席 11,000円
(全席指定・税込)
U-25チケット 5,000円
(25歳以下対象・当日指定引換・税込)
お問い合わせ
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ  06-6377-3888

※未就学児童のご入場はご遠慮ください。

畑澤聖悟
演出 栗山民也
出演 松山ケンイチ
岡山天音
神尾 佑
櫻井章喜
金子岳憲
玲央バルトナー
上原千果
余 貴美子
企画制作 ホリプロ
主催 梅田芸術劇場/ABCテレビ
関連リンク

東京公演開幕レポート

返還50周年の2022年に“沖縄”を描く

約4年ぶりの舞台出演となる松山ケンイチが主演を務める『hana-1970、コザが燃えた日-』が、1月9日に池袋・東京芸術劇場プレイハウスにて開幕した。舞台写真、映像、コメントほか台本の冒頭20ページが公開された。

(撮影:田中亜紀)


ハルオ役 松山ケンイチ

演出家・栗山民也が長年見つめてきた沖縄を題材に、こまつ座「母と暮せば」でもタッグを組み信頼を寄せている作家・畑澤聖悟に書き下ろしを託した新作。

映像作品でも役作りにストイックに向き合う姿が度々話題となる松山ケンイチは、舞台出演4作目にして今作が初の会話劇。事前に沖縄にて現地の方々の話を聞いて回り、稽古中も物語当時の資料を読み込みながら謙虚に真摯に作品と向き合っている。
ドラマや映画で個性的な存在感を放ち活躍目覚ましい岡山天音が、松山と血の繋がらない弟を、劇団出身であらゆる役柄を自分のものにする演技力で数多くの映像作品に出演し、栗山作品への参加は約30年振りとなり、これが最後の舞台かもしれないと語る余 貴美子が、2人を拾い育てた母親を演じる。


左から アキオ役岡山天音、ナナコ役上原千果、おかあ役余 貴美子、ハルオ役松山ケンイチ

ハルオ(松山ケンイチ)は、終戦当時、戸籍がなく名前も年齢も分からない推定4歳の子ども。隣に住むアキオ(岡山天音)と同じくらいの年齢に見えたが少し身体が大きいからという理由で兄とされた。おかあ(余 貴美子)は2人を拾い育て、配給や援助金をもらうために収容所にいたジラースー(神尾 佑)に声をかけ、即席でできた4人家族。それから月日が経ち、今やバラバラになっていた「偽の家族」が、久しぶりに家のあるバーに集まった。アメリカ軍施政下での圧力や人権侵害に翻弄され続けていた彼らは、さまざまな想いを胸に秘めていた。彼らの妹ナナコやおかあが匿っていた脱走兵ミケ、アキオがデモ帰りに連れてきた本土から来たルポライターらをきっかけに、家族は次々と本音をぶつけ合い向き合っていく。
1970年12月20日未明、コザ騒動の裏側で起きた、ひとつの家族の物語に胸が熱くなる。


左から アキオ役岡山天音、ハルオ役松山ケンイチ

今回が会話劇初主演となる松山ケンイチは、出自が分からず半ば自暴自棄に生きるハルオの苦しみを、大胆な動きと細やかな表情で表している。遠慮がちで控えめな性格のアキオを演じる岡山は、これまで誰にも明かしてこなかった内に秘めた熱い想いを体当たりの演技で魅せる。余は、自身の置かれている境遇に決して負けまいとするおかあの強さを、台詞のひとつひとつに丁寧に重ね客席に届けている。


左から ジラースー役神尾佑、おかあ役余 貴美子

冒頭からウチナーグチ(沖縄ことば)が飛び交い、三線の演奏もありまるで沖縄にいるような気分に。舞台上には、米兵が出入りするAサインバーのセットがあり、窓の向こうには基地があるという設定。かつてはハルオが演奏もしていたという、バーのステージにはスタンドマイクがあり劇中で度々効果的に使われる。

あるシーンでは、対照的な兄弟それぞれの世の中に対する想いが爆発し、演劇ならではの熱量に圧倒される。外で起こる「コザ騒動」の喧騒と、中で起こる事件が進展するにつれ刻々と変化する照明も印象的だ。

また、妹のナナコ役を演じる上原千果が歌う「花はどこへいった」は世界一有名な反戦歌として知られ世界中でカバーされる名曲。その素朴な歌声と歌詞が胸に刺さる。

上演時間は約1時間40分。

演出家・出演者からのコメント

■松山ケンイチ(ハルオ役)

本日、無事に初日を迎えることが出来て一安心です。
ただそれに尽きます。
無事に始まった舞台を無事に終わらせる。
これが全ての望みです。これしか望んでいません。
このまま、日々気を付けながら取り組んでいきたいと思います。


■岡山天音(アキオ役)

『hana-1970、コザが燃えた日-』は非常にビビットでありながら、素朴なメッセージが込められた作品だと思います。
皆様がこの物語をどう受け止めてくださるのか、これから公演が進むに連れ、果たして自分がどこに漂着するのか、期待が高まります。
今回、久し振りに舞台に携わり、舞台の刹那的な在り方と出会いました。
劇場に足を運んで下さる皆様と、そこにしか芽吹かない「その瞬間」に全身を浸して行きたいです。


■余 貴美子(おかあ役)

まさに今のこのコロナ禍のように、沖縄・日本・アメリカとの間で揺れ動くテーマの作品ですが、新しい年の始まりに力づけられる、勇気づけられるような物語になっていると思います。沖縄言葉には難儀しましたが、沖縄の明るさや底力というのはその言葉にもあると思っていて、私は沖縄の人ではないけれど、沖縄の言葉を口にすると元気になります。血のつながらない家族が苦難を乗り越えて再生していくという内容ですので、台詞を言う度に明るさと底力で乗り切っていこうという気持ちになります。皆さんにもぜひ、この”言葉との出会い”を楽しんで、元気になっていただけたらと思います。


■演出・栗山民也

手を取り合って
『hana』の初日の公演を終え自宅に戻るところなのですが、クイーンの「手を取り合って」が無性に聴きたくなって、車の中でかなりの音量で聴いています。
カーテンコールで観客と一緒になって大きく拍手しながら、「人間の鎖」のことを考えていました。米軍基地を取り囲んだ沖縄の「人間の鎖」。小さな力かもしれない一人ひとりの力が、手を取り合うことで繋がれ、硬く口を閉ざした巨大な固まりをぐるりと包囲する。
なんだか熱くいろんなことが、今、クイーンの音楽とともに頭の中を駆け巡っています。沖縄のみんなと酒場にいるような、熱くてとても柔らかな気分。