スペインの伝説的劇作家、フェデリコ・ガルシーア・ロルカによる官能的な名作悲劇。一人の女をめぐり、男二人が命を懸けて闘う、むき出しの愛の物語。
南スペインのアンダルシア地方のとある村。母親(安蘭けい)と二人暮らしの花婿(須賀健太)は、父親と二人暮らしの花嫁(早見あかり)と結婚したいという想いを母に告げる。母親は、溺愛する息子の成長を喜びつつも、ただ一人の家族の旅立ちに複雑な想いがのこる。花嫁は優しく家庭的な娘と聞くが、気にかかる噂がある。息子と恋仲になる以前、心を通わせた男がいるという。男の名はレオナルド(木村達成)。かつて、レオナルドの一族に母親の夫と息子は殺されたのであった。レオナルドは花嫁との恋が破局した後に、花嫁の従妹と結婚し、今は妻子と姑との四人で暮らしていた。レオナルドの友人でもある花婿は、心配ないと母に明るく語る。
花嫁は、花婿との幸せな家庭を築くと決意していた。しかし、花嫁の目の前に現れたのは、かつての恋人・レオナルド。思いもよらない人物の出現に激しく心が揺さぶられる花嫁。忍び寄る不穏な闇・・。
二人の男の愛がひき起こす、婚礼の日に起きる悲劇とは・・。