DANCE LEGEND vol.3
BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS
FLAMENCO CAFÉ DEL GATO
キャンディのように、甘くかわいらしいだけの女の子じゃだめなんだ。
カラリと乾いた空気の中で、ほのかに漂うミントの香り。そんな、キリリとして爽やかな、すずしさを持つ大人の女性こそが、フラメンコには良く似合う。
でもフラメンコって、情熱的な熱い踊りのはず? もちろん。でも彼女たちは、ただ乱暴に感情をぶちまけてるわけじゃない。自分の信念を、愛を貫き通すために、強い意志で大地を踏んでいる。今回、我らがバッドガールズが挑むのは、そんな男前で 超“バッド(カッコいい)”な、クールな女性たちなのだ。
ダンスレジェンドシリーズ期待の第3弾『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』は、スペイン人舞踊家で、日本でも多大な人気を誇るマリア・パヘス舞踊団の第一舞踊手・振付家を務めるホセ・バリオスが指揮を取る。
ACT1のフラメンコ版ロミオ&ジュリエット『カフェ・デル・ガト』では、伝統に囚われない独自の世界観で、新しいフラメンコを提唱。そしてACT2では、スペインの南部に位置するフラメンコの故郷アンダルシアを、現代フラメンコ音楽の代表、ビセンテ・アミーゴ、エンリケ・モレンテ、パコ・デ・ルシアらの楽曲と共に、旅していく。
日本人キャストには、Vol.1、Vol.2に引き続き、湖月わたる、水 夏希、原田 薫の3名に加え、2015年に宝塚歌劇団を退団した元宙組男役スター 緒月遠麻、そして2014年『Rock the Ballet 2』でパワーを見せつけた大貫勇輔を起用。
スペインからは、バッドガールズに加わるモニカ・ゴメス、そして大貫と共にフラメンコボーイズを固めるのは、アルバロ・マドリッド、アンドリ・ルイバル、ベンジャミン・ルイバ、そしてホセ・モリーナの4人。スペイン国立バレエ団、ホアキン・コルテス舞踊団など、フラメンコ屈指の舞踊団の団員として活躍した経験のある、最強の若手ダンサーを揃えた。
多岐に渡る曲種とリズムがあり、踊りこなすのがとても難しいフラメンコ。だが、ただ踊るだけでは表現できない、テクニックを越えた、踊り手の魂の叫びこそが、その真骨頂と言える。持ち前のチャレンジ精神で、バッドガールズたちが、この難関をどう乗り越えるか、見ごたえ抜群のステージになること、間違い無しだ。
文/東 敬子(ひがし けいこ)
ACT 1 『CAFÉ DEL GATO』
ストーリー性を持ったシアトリカル・ダンスショー。
“パコ・デ・ルシア”を含むフラメンコ楽曲と共に登場人物の心情をより深く映し出します。
従来のフラメンコの概念を覆す、ホセ・バリオスの斬新かつスピーディーな振付にご期待下さい。
ストーリー紹介
19世紀に存在したフラメンコショーを観劇できる酒場「カフェ・デル・ガト」を舞台にした物語。
エレディア4兄弟(長女ローラ:湖月わたる 次女カルメン:緒月遠麻 ギタリストの弟ルイス:大貫勇輔、他)によるショーが開催され、賑やかで華やかな店内。ショーの途中、スペインで最も有名な闘牛士が店に現れ、客の注目を一身に集める中、ローラは彼に一目ぼれ。ショーが終わり、客と踊りを楽しむエレディア4兄弟ですが、ルイスは女たらしで有名な闘牛士に心奪われたローラに忠告。カルメンはみんなに楽しく踊ることを提案するが、ルイスは二人の仲を裂こうと闘牛士と争いになり、ついに傷つけてしまう。
そんな時、闘牛士に心寄せるもう一人の女性マリア(原田薫)が現れ、妖艶な踊りをみせつけ誘惑するが、闘牛士の心もローラから離れなくなっていた・・・危険な雰囲気が漂う店内に現れたのはカフェ・デル・ガトの女主人アナ(水夏希)。彼女はその場を収めようと無理だと知りつつ、最後はピストルで威嚇するが・・・様々な役柄を演じつつ展開されるシアトリカル・ダンスショウ「カフェ・デル・ガト」。結末は如何に?!
ACT 2 『Suite Andalucía』
舞台はアンダルシアへ。
各地に伝わる、その土地独特のフラメンコリズムを求めて旅していくオリジナルフラメンコショー。
ACT2 楽曲リスト(抜粋)
EL MAR DE TU SENTIR (alegrias)
MONTES DE MALAGA (malagueña)
MENSAJE (fandangos)
CIUDAD DE LAS IDEAS (bulerias)
and more…
日本人女性キャストで結成された「GIRLS DANCER」が異国の「BOYS DANCER」と「Meet」する=世界共通言語であるダンスをもって日本女性キャストが様々なジャンルの踊りにチャレンジ。ダンステクニックのみだけではなく、誰もが観て楽しめるシアトリカル・ダンスショーをお届けします。
Vol.1の「BAD GIRLS meets BAD BOYS」(2012年)のダンステーマは「バレエ」。米国著名バレエダンサーのRasta Thomas(ラスタ・トーマス)が率いる、ロック要素を入れた男性バレエチーム「BAD BOYS OF DANCE」に日本で結成した女性ユニット「BAD GIRLS」が出会うという設定で、POPSの楽曲を多用し、アメリカらしく明るく豪快なダンス公演となりました。
BAD GIRLSメンバーは、元宝塚歌劇団星組トップスター 湖月わたる、元雪組トップスター 水 夏希、元月組トップ娘役 蒼乃夕紀。さらに、ジャズダンスからは振付兼出演の原田 薫、高い身体能力を誇る若手ダンサー 矢野祐子の5名。そして、USAアポロシアターで連続チャンピオンに輝き、マドンナワールドツアーにも出演を果たしたTAKAHIROをストーリーテラーとして起用。全日程完売となるほどの公演となりました。
(2012年「BAD GIRLS meets BAD BOYS」より)
Vol.2 「Argentango」(2014年)のダンステーマは「アルゼンチンタンゴ」。ミュージカル「NINE」等の振付で海外にて大活躍のGustavo Zajac(グスタヴォ・ザジャック)を演出・振付としてアルゼンチンより招聘しました。BAD GIRLSメンバーは、湖月わたる、水 夏希、原田 薫の3名に加え、新メンバーとして元宝塚歌劇団男役スター 彩吹真央、ジャズダンス界からは切れのある踊りで定評の碓井菜央の5名。また、演出家選出による5名の男性招聘ダンサーは、強靭な身体能力で圧倒的なテクニックを駆使。現代と古典が混ざり合った楽曲、当シリーズのコンセプトである物語性を構成にふんだんに取り込み、息をつかせぬダンス・ミュージカルとして高い評価を頂きました。
(2014年「Argentango」より)
大阪公演
6/25(土) | 6/26(日) |
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- | 12:00 |
15:00 | 16:30 ◆ |
東京公演
6/29(水) | 6/30(木) | 7/1(金) | 7/2(土) | 7/3(日) | 7/4(月) |
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14:00 ♠ | 14:00 ★ | - | 12:00 | 12:00 | 12:00 |
18:30 ◆ | - | 18:30 ♣ | 16:30 | 16:30 | - |
◆=オールキャストスペシャルパフォーマンス withホセ・バリオス
♠=初日スペシャルカーテンコール
★=アフタートークショーvol.1~大いなるスペイン稽古編~
♣=アフタートークショーvol.2~宝塚OG女子会編~
オールキャストスペシャルパフォーマンス withホセ・バリオス
全キャストに加えダンサー ホセ・バリオスが舞う!
ここでしか見られない豪華パフォーマンスをお見逃しなく!
このイベントは写真撮影OKですので、ぜひカメラにおさめてSNSでも拡散してくださいね♪
◆ 6月26日(日)16:30公演
◆ 6月29日(水)18:30公演
※イベント開始までは携帯電話の電源はOFFでお願い致します。
また、動画での撮影はご遠慮ください。
※同日のチケットをお持ちの方は、皆様ご参加いただけます。
初日スペシャルカーテンコール
-スペインの情熱と宝塚の世界が融合したスペシャルカーテンコール!-
宝塚歌劇の名作として1999年の宙組公演以来3度上演されてきた「激情-ホセとカルメン-」の楽曲「幸せ」にて、お客様と一緒に手拍子で楽しむ情熱のカーテンコールの実施が決定しました。
スペインでの稽古を経て「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」に挑戦するBAD GIRLSとBAD BOYSが宝塚の世界を通じてフラメンコの楽しさをお伝えします。
皆様、ご一緒に盛り上がりましょう!
熱気溢れる初日公演後、キャストからお客様へメッセージをお届けします!
♠ 6月29日(水)14:00公演
アフタートークショーvol.1~大いなるスペイン稽古編~
スペイン・マドリッド稽古を中心に、とっておきのエピソードをお届けします!
登壇者:湖月わたる、水 夏希、原田 薫、緒月遠麻/大貫勇輔
★ 6月30日(木)14:00公演
※同日のチケットをお持ちの方は、皆様ご参加いただけます。
アフタートークショーvol.2~宝塚OG女子会編~
宝塚時代の思い出から今回の公演の裏話までエピソード盛りだくさんでお届けします!
登壇者:湖月わたる、水 夏希、緒月遠麻
♣ 7月1日(金)18:30公演
※同日のチケットをお持ちの方は、皆様ご参加いただけます。
スペインのコルドバでフラメンコダンサーとしての活動を始める。 アンダルシア地方にてフラメンコ界大物アーティスト フォスフォリートや歌い手のホセ・メルセと共演する。 マドリッドを拠点として、カサ・パタス、エル・コラール・デ・ラ・モレリア、コラール・デ・パチェカ、カフェ・デ・チニタス等多くのタブラオに出演の傍ら、数々の舞踊団に出演する。その舞踊団の中には、ブランカ・デル・レイ、スイテ・エスパニョーラ、ラファエル・アマルゴ、ドミンゴ・オルテガが挙げられる。 日本においては、京都大覚寺でのテレビ番組『音舞台』に有名なフラメンコダンサー ベレン・マジャと共演をした経験を持つ。 現在、マリア・パヘス舞踊団の第一舞踊手・コーディネーター・振付師として活躍中。 自身でもフラメンコ舞踊団を結成し、2010年、2011年アメリカやメキシコでツアー実施。 2011年マリア・パヘス舞踊団ワールドツアーへ参加。(日本では東京と神戸で公演) 2013年マリア・パヘス舞踊団日本公演にも出演。
撮影:Studio Elenish
舞台写真がもらえる、お得なチケット販売中!詳しくはこちらから!
<舞台映像>
<オールキャストスペシャルパフォーマンス
withホセ・バリオス&大阪公演千穐楽カーテンコール>
マドリード北部。住宅街の一角にひっそりと佇むレッスン・スタジオ。しかしそのドアの奥では、情熱渦巻く熱いフラメンコの世界が広がっていた。
粋にキメるフラメンコ・ボーイズを妖艶な笑顔で挑発しながら、華やかに空気を彩る我らがバッド・ガールズ。再び未知数の挑戦に挑む彼女達に、フラメンコ界の若きホープ、ホセ・バリオスは妥協を許さなかった。彼女達の才能を信じ、彼はハイレベルなフラメンコで遠慮なく大胆に、攻める!
物語はフラメンコ居酒屋「カフェ・デル・ガト」を舞台に繰り広げられる。エレディア一家の長女ローラ(湖月わたる)と二人の妹(緒月遠麻、モニカ・ゴメス)は踊り手、弟(大貫勇輔)はギタリストとして、ここで一緒に働いていた。しかしある日、有名な闘牛士(ベンジャミン・レイバ)が店に現れ、彼がローラを見初めたことで、予期しなかった波乱が起こる。ローラを心配する弟の強い家族愛。ローラの恋のライバル(原田薫)の出現。そしてカフェの女主人(水夏希)の決断が、様々な感情の彩と共に、悲惨な運命をたぐり寄せていく。
伝統を軸に、斬新かつスタイリッシュなフラメンコを展開する振付家ホセ・バリオスの自信作『フラメンコ、カフェ・デル・ガト』は、フラメンコ版「ロミオ&ジュリエット」とも言える悲恋の物語だ。喜び、悲しみ、怒り、葛藤、そして魂の爆発。ここには、フラメンコの全てが詰まっている。そして公演の第二部では、他ジャンルの面白さも取り入れながら、フラメンコの凝り固まったイメージを打ち砕く。
熱い激が飛ぶリハーサルはまだ始まって一週間も経たないというのに、ダンサーたちはみなガッチリと結び付き、まずは監督のその見事な手腕に舌をまいた。
4人の美女とイケメンがタッグを組んだ日本チームの周りを固めるのは、これまたグアポとグアパ(美男・美女)総出のスペインチーム。彼らのスピーディかつ若さ爆発のフラメンコは迫力満点だが、今回フラメンコ初挑戦の日本チームの、まったく遜色の無いキレキレのダンスには本当に目を見張る。そして、物凄いスピードで新しい振付をこなしていく様は衝撃的ですらあった。さすが、である。
そして、これだけ難しいことをやりながらも殺気立った雰囲気はなく、スペイン語、英語、日本語が飛び交うリハーサルは、常に心地よい緊張感をもってスムーズに進んでいく。
大型のショール(マントン)を華麗にさばく湖月。フリンジが絡まったりすると、ちょっと肩をすくめ、お茶目な表情を見せる。原田の妖艶な舞に、緒月の華麗なステップが交差し、水が凛と通り過ぎるトレースには、爽やかなジャスミンの香りが立ち上る。彼女は、スペイン人女性ダンサーのセクシーな腰の動きを、プロポーションが違うから真似できないと言って笑った。そして男っぽい、圧巻の表現力で魅せる大貫。喧嘩のシーンや、感情の起伏の激しい踊りが多く、微妙なニュアンスや難しいリズムで戸惑えば、スペイン人ダンサーたちと、何度も粘り強く確認しあう……。真剣な目、高揚する顔に光る汗、みんなのその真摯な姿勢に、監督はこの日、「予定より振付が二つも進んだ。君たちががんばったお陰だ。ありがとう」と礼を述べていた。
見どころたっぷりの『フラメンコ、カフェ・デル・ガト』。この新しい世界観は、まったくもって刺激的だ。バッド・ガールズからフラメンコ・ガールズへ。彼女達はまた、更なる進化を遂げる。
文/東 敬子(ひがし けいこ)
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