大ヒット映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』や『ボンベイ』などの作曲に携わり、2008年の『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞作曲賞受賞、また2010年の『127時間』でもアカデミー賞作曲賞にノミネートされるなど、国内外を問わず活躍しているインドの作曲家A.R.ラフマーン。
インドの“モーツァルト”と称されるラフマーンの楽曲に、ショービジネス界では知らないものがいないアンドリュー・ロイド=ウェバーが惚れ込んでプロデュースし、誕生したミュージカルが本作「ボンベイドリームス」です。2002年にウエストエンドで、その後2004年にはブロードウェイでも上演され、この度日本初上陸となります。
ラフマーンが手掛ける劇中の楽曲は、伝統楽器を多用した古典的なインドの楽曲と、心情をしっとりと伝えるバラードや壮大なポップス、さらにハードロックまで、幅広い曲調で構成されており、まさしく「東洋と西洋の見事な融合」が果たされています。
インドのエンターテイメント作品の最大の魅力といえば、その独特なリズムと振りで歌って踊る 絢爛豪華な世界。嬉しくても悲しくても、楽しくても辛くても、そして恋を語っていても敵と戦っていても…ダンス!とある映画では、15分に1回はダンスシーンがあったというくらいです。全編ラフマーンの楽曲で構成される本作。劇場を出られるときには、楽曲の耳馴染みの良さと心地よい興奮で、思わず口ずさみ、体でリズムを刻んでしまう…。そんなお気に入りの曲に出会っていただけること間違いなしです。
南アジアを代表する世界都市の一つでありインド最大の都市・ムンバイ(旧名ボンベイ)は、今や、多くのインド企業や多国籍企業が拠点を置き、ビジネスチャンスに恵まれた土地となっています。
娯楽産業も重要なビジネスの一つとして発展しており、その急成長から、インド映画はハリウッド映画をもじり“ボリウッド映画”と称されています。
『ボンベイドリームス』は、そんな高度成長を遂げる都市とともに活発になる映画産業の華やかな世界と、眼前なる貧困という厳しい現実にありながら土地開発のため立ち退きを促されるスラム街という、対照的な背景を持つ登場人物たちの出会いから起こる人間ドラマです。無論、華々しい映画産業においても、裏では人の憎悪や長年巣食ってきた闇が存在していたり、貧しく騒々しいスラム街であっても、温かく心安らぐ母や仲間、輝かしい夢が存在したりと、その表裏は一体です。
スラムで生活しながら映画スターを夢見る主人公アカーシュ(浦井健治)が偶然スターへの切符を手にしたことで目の当りにする、光と闇。そしてその過程で彼が得るもの、失うもの、変わるもの、変わらないもの、また、変えられないもの…。一人の青年の成長譚であり、インド社会の現実を写し出している作品でもあります。
現実と虚構とが交錯する世界が描かれる本作の演出・翻訳を手掛けるのは、荻田浩一。
荻田ワールドと称されることもある繊細かつ甘美な独自の美学を持った作風で、登場人物たちの心の奥までも丹念に描き出します。
本作の主演は、ミュージカル・ストレートプレイなどの舞台や映像と様々なジャンルで活躍し、確固たるキャリアと実績を持ちながら、常に観るものに鮮度の高い存在であり続ける浦井健治。演出の荻田とは初主演ミュージカル『アルジャーノンに花束を』(06,14)をはじめ、『蜘蛛女のキス』(07,10)、『CHESS in Concert』(12)等でタッグを組んでおり、築き上げられた深い信頼関係の中、新たに生まれる荻田演出×浦井主演の化学反応にご期待ください。
そして、アカーシュが一目ぼれする映画監督を目指すヒロイン・プリヤ役は、映像等でも大活躍のすみれ。抜群の歌声と美貌で晴れ渡るようなヒロインを体現してくれるでしょう。そして皆の憧れの的、大スターのラニ役は朝海ひかる。映画撮影のシーンでは得意のダンスを披露致します。プリヤの婚約者で熱血漢あふれる知的な弁護士役は、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』や『レディ・ベス』で着実にキャリアを重ねつつある加藤和樹が務めます。
また、アカーシュの育ての親、スラム街の母シャンティ役をまさに聖母の歌声を持つ久野綾希子、プリヤの父でアカーシュをスターへ導くマダン役を安崎求、そのマダンの陰に常に潜む黒幕JK役を 阿部裕、アカーシュの幼馴染のスウィーティ役を川久保拓司が演じます。その他、ひのあらた、小松拓哉、五大輝一、高谷あゆみ、原田薫、梅棒などが出演、個性あふれる実力派が揃いました。
また、ダンスシーンの振付はダンサー・振付家として圧倒的な力強さと多彩なアイデアで驚きと 情熱をもたらす原田薫と、今ダンス界で人気・実力ともに急上昇中の梅棒が手掛け、振付だけでなく、出演者として舞台でダンスも披露致します。
日本版は全く新しい演出(美術、照明、振付etc )とはいうものの…
スタッフ&キャストに、もれなくボンベイ病を発症させる中毒性高めの音楽と世界観をどうしてもお届けしたく、オリジナル版の映像ご紹介。
この作品を荻田ワールドで、どのように構築していくのか、更なる期待感が高まります!
それ以外にも・・・
ラフマーンのコメント、稽古場風景などオリジナル版制作風景など、
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