『SUNNY(サニー)』

2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)2023年7月9日(日)~7月13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)2023年7月9日(日)~7月13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティs

スペシャル

  • コラム
  • チラシ
  • 撮影レポート
  • ムービー
  • グッズ&ノベルティ
  • イベント
  • 舞台写真

コラム

原作映画「サニー 永遠の仲間たち」の魅力とメッセージ

桑畑優香(韓国エンタメライター・翻訳家)

冒頭に流れるシンディ・ローパーの名曲「タイム・アフター・タイム」のメロディーで、一気に気分は1980年代へ。韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を試写室で観たのは2012年のことでした。映画を観る時はいつもわりと冷静で、試写室で泣くことはめったにありません。それなのに号泣して(隣にいた見知らぬライターさんも号泣していた)、直後に会った友人に「絶対見て!」とお勧めした、稀有な一本がこの作品でした。なぜ、そんなに心揺さぶられたのか。それは、「あの頃と今の自分と仲間たち」がスクリーンの中にいたからでした。



「サニー 永遠の仲間たち」デジタル配信中
提供:ツイン

地方からソウルの女子高に転校したナミと、姉御肌のチュナをはじめ、悪口の語彙が抜群の子、文学少女、おしゃれ番長……。ほのかな恋愛、深夜ラジオへの投稿などに一喜一憂する姿には、仲間と一緒にいるだけで楽しかった「あの頃」がぎっしり詰まっています。そして、そんな仲間たちが40代を迎え、きらきらがそぎ落とされた現実のなかでもがく姿。まさに、同世代の自分たちが直面する「今」を映し出すストーリーに、自分を省みたり、遠く離れた友人たちに思いをはせたりしたのでした。


脚本・監督は、コメディの名手カン・ヒョンチョル。映画化のきっかけは母親の昔の写真を見たことで、「自分の母もセブン・シスターズだったのでは?」と発想を膨らませていったといいます。セブン・シスターズとは、トラブルメイカーの高校生を意味する隠語です。韓国版の仲良しメンバーは7人組。なかでも注目すべきは、高校生時代のナミを演じた、シム・ウンギョンです。NHKでも放送された韓国ドラマ「ファン・ジニ」(2006)や「春のワルツ」(2006)「太王四神記」(2007)で主人公の子ども時代を演じるなど、子役時代から頭角を現していましたが、本作でさらなるブレーク。2019年には日本映画『新聞記者』にも主演し、同作で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第74回毎日映画コンクール女優主演賞などを受賞。現在は日韓両国をまたにかけて活躍する俳優へと成長を遂げました。


ベテランから抜擢された若手まで個性豊かな俳優陣はもちろん、もうひとつの〝主役〟は音楽です。冒頭の「タイム・アフター・タイム」をはじめ、シンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン(Girls Just Want To Have Fun)」や映画『ラ・ブーム』の主題歌「愛のファンタジー」など日本でもおなじみの80年代を彩る曲の数々……。

そう、本作は青春映画であり、音楽映画であり、消えた人物を捜すミステリー。さらに、軍事政権期という一見暗黒の時代に鮮やかな青春を送り、今、精一杯に毎日を送る多くの人々に重なる、ドキュメンタリー要素もある作品ともいえるかもしれません。韓国公開時には口コミが広がって740万人を動員し、国民の6人に1人以上が観たヒット作に。韓国の主要な映画賞で、監督賞を総なめにしました。


その作品力は、本作が多くの国・地域で映画・ドラマとしてリメイクが作られたことにも表れています。現在までに公開・放送されたのは香港、日本、ベトナム、インドネシア。それぞれのバージョンには、時代背景が盛り込まれています。たとえば、韓国では軍事政権時代だったのに対し、日本版はコギャル全盛期です。小室哲哉が音楽を担当し、冒頭に流れるのは安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」。主役の奈美には、篠原涼子と広瀬すずを据え、バブル崩壊後の90年代後半を舞台に、コギャルたちが先の見えない時代を伸び伸びと生きる姿が描かれています。一方、インドネシアでは、2019年に現地語で「自由」を意味する『Bebas』というタイトルで、スハルト政権末期の1990年代半ばを背景にリメイクされました(仲良しメンバーの一人は男性!)。

各国で続々とリメイクが作られる理由は何か。それは、タイトルの「サニー」に集約されているのではないでしょうか。監督は、韓国公開時のインタビューで、こう答えています。「誰しも青春時代が一番輝いていたと思いがちですが、いくつになってもそんな瞬間があればいいと思っています。過去であれ未来であれ、人生がずっと輝いていたらいいな、と。そのような思いを込めて、劇中でも使っている「サニー」という曲をそのままタイトルにしました」


もういちどあの日に帰りながら、過去の自分たちにエールをもらうような、背中を押されるようなストーリー。それは、国境も年齢も超える、誰もが「あの頃」の、そして「今」の自分に帰結する普遍の物語。『サニー』を観た後に気づくのは、人生の主人公は、いつだって自分自身だということ。忘れがちなそんなことを、はっと思い出させてくれるストーリーなのです。


そのサニーが、今度は日本で初めてミュージカルに。韓国の映画と日本のミュージカル版は、設定がほぼ同じ年代(80年代半ば)でありながら、韓国は暗黒の軍事政権期、日本はピカピカのバブル期というまったく異なる時代です。一足早く拝読した台本では、社会背景が驚くほど絶妙に置き換えられ、音楽はもちろん、80年代を彩るキーアイテムが散りばめられていて、「ほう、そうくるか!」「ああ、なるほど!」と新たな発見もたくさんありました。台本を読むだけで懐かしい曲が頭の中でリズムを刻み始め(冒頭の曲は、松本伊代の「センチメンタル・ジャーニー」)、タイムスリップするこの物語が、ステージでどのように立体化するのか。幕が開く日を心待ちにしています。

桑畑優香

桑畑優香 (Yuka Kuwahata)

翻訳家、ライター。早稲田大学第一文学部卒業。延世大学語学堂、ソウル大学政治学科で学ぶ。「ニュースステーション」のディレクターを経てフリーに。多くの媒体に映画レビュー、K-POPアーティストのインタビューを寄稿。『韓国映画100選』(クオン)、『BTSを読む』(柏書房)、『家にいるのに家に帰りたい』(辰巳出版)など訳書多数。

花總まり・瀬奈じゅん
ビジュアル撮影レポート

2011年に韓国で公開された映画『SUNNY 永遠の仲間たち』。自分たちのグループを“SUNNY”と呼んで、一緒に音楽を聴いたり、踊ったり、時には羽目を外したり、派手にケンカをしたり、恋をしたり……、そんな多感な高校時代を共に過ごした女子たちが、四半世紀の時を経て再会する。今は生活に疲れ、それぞれに悩みを抱える彼女たちが、キラキラしていた青春の日々を振り返り、失いかけていた輝きを再び取り戻していく物語は、多くの女性たちの共感を呼び、大ヒットした。

それを受けて、香港やベトナム、インドネシアなどアジア各国でもリメイク版が作られ、日本でも2018年に、物語の舞台を1990年代半ばと、現代(2018年)の日本に置き換えた『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が、篠原涼子、広瀬すずのW主演で制作され、大きな話題を呼んだ。

そして2023年6月、世界で初となるミュージカルバージョンの新たな『SUNNY』が幕を開ける。舞台版では、“過去”のSUNNYは1980年代の女子高生という設定になるそうだ。
2022年11月、都内のスタジオで、大人になったSUNNYの1人、奈美を演じる花總まりと、同じく大人のSUNNY、千夏役の瀬奈じゅんのビジュアル撮影が行われた。

まず、花總がスタジオに入る。SUNNYのメンバーにはそれぞれテーマカラーがあり、奈美はピンク系。鮮やかな赤紫色のカーディガンに、裕福な暮らしぶりを窺わせるパールの三連ネックレスとイヤリングが印象的だ。現代の奈美は夫と娘の3人暮らしで、家庭に入った今も若々しく美しい。しかしエリートの夫は仕事が忙しく、家族をかまってやれない代わりに、何でも金で解決しようとするような人物、高校生の娘はだんだん扱いが難しくなってきた年頃だ。

花總はそんな、世間から見れば幸せだがどこか満たされない思いも抱いている奈美という女性を、カメラの前で繊細に表現していく。宝塚のトップ娘役として12年を超える歴代最長記録を持つ花總は、バッグの持ち方やスカーフの扱い方まで、既に奈美そのものに見え、カメラマンや、周囲で撮影を見守るスタッフからは、「かわいいです!」「ああ、いいですねえ。いいところの奥様という感じです」と、感嘆の声がかかる。

花總も、役についてプロデューサーに確認したり、自らポーズを提案したり、いい雰囲気で撮影が進んでいく。カメラマンの注文に応えて次々と表情を変えていく花總の様子をモニターでチェックしていたデザイナーが、思わず拍手を送る。隣でモニター画面を見つめる演出家の目も真剣で、この花總の様子から、逆にインスピレーションを受けたのかもしれない。

続いて動画の撮影が始まる。ブルーバックの前で、SUNNYの「N」の文字を持ち、「サニー!」と声を張り上げる花總。「もうちょっとテンション高めで」と指示が出ると、すぐに求める以上の答えを出してくる対応力に、スタッフたちからは「素晴らしい!」と声が上がる。
撮影開始から1時間後、別のスタジオに移動して、千夏役の瀬奈じゅんも加わり、2ショットのコメント撮りが行われた。
花總と瀬奈は、宝塚歌劇団の77期と78期という関係で、組こそ一緒になったことはないが、音楽学校時代から1期違いでよく知っている同士。久しぶりの顔合わせということもあって、ライトの調整を待つ間もおしゃべりが止まらない。

瀬奈が演じる千夏は、高校時代、SUNNYのリーダーで、田舎から都会の高校に転校してきて嫌がらせを受ける奈美をかばい、仲間に誘ってくれた頼もしい存在だ。現代の彼女は起業して成功を収め、独身生活を謳歌していたが、人生が急転。奈美がそんな千夏と偶然出会ったことから、SUNNYの再集結を目指し、メンバーの行方探しが始まるのだ。

瀬奈は、千夏のテーマカラーであるグリーン系のコートにパンツというスタイルで、いかにもバリバリ働いている女性らしく、動きも颯爽としている。この辺りはさすがに月組の元トップスターとしての経験が生きて、何気ない動作までカッコいい。

作品に合わせて学生時代についての質問が出ると、2人とも宝塚音楽学校時代のエピソードを披露して、楽しそうに笑い合っている。その後もデザイナーの指示で抱き合ったり、自然と同じポーズが出たりと、早くも奈美と千夏のように息もぴったりで、あまりの仲よしぶりに、「もう少しカメラを意識して」と、逆に言われてしまうほど。撮影の合間にも、スマホで2ショットを撮り合ったり、終始和やかな雰囲気でテンポよく撮影が進み、開始から2時間後、2人が顔を寄せ合う動画を撮ったところで「OKです!」の声がかかった。2人は抱き合って、「ありがとう!」と互いをねぎらい、撮影は無事終了。

作品の中では、あふれる思いを芝居はもちろん、SUNNYたちが高校時代に聴いていた懐かしい80年代のJPOP楽曲で表現するのだが、特にダンスシーンでは、80年代の象徴とも言える「バブリーダンス」で一世を風靡した、akaneの振付によるダンスナンバーが披露される。これも大きな見どころの1つだろう。そしてラストシーンは、大人のSUNNYたちが、それまで抱え込んでいた悩みや苦しみをひと時忘れ、人生の主役に戻ってボニーMの「SUNNY」を踊る。映画版でもたくさんの人々の感動を誘ったこのシーンを、花總たちがどんな風に彩ってくれるのか、撮影風景を見て、さらに楽しみになってきた。

(文・原田順子)

ムービー

  • 振付1日目…!! 「バブリーダンス」稽古!

  • 花總まり

  • 瀬奈じゅん

  • 小林綾子

  • 馬場園梓

  • 佐藤仁美

  • 渡邉美穂

  • 須藤茉麻

  • 片桐 仁

  • 花總まり×瀬奈じゅん対談

グッズ&ノベルティ

グッズ

公演プログラム ¥2,000-(税込)

各公演チケットをお持ちのお客様は、ロビー開場以降~開演前・終演後、お買い求めいただけます。
劇場販売のほか、キャトルレーヴ各店舗、WEB 販売も実施いたしますので併せてご利用ください。

※お支払方法は<現金のみ>となります。(クレジットカード等はご利用いただけません)

WEB 販売はコチラ

※WEB発売開始は6/27(火)10:00~です

※チケットをお持ちでないお客様は、WEB 販売のほか、各公演上演中のお時間をご利用ください。
※お待ち合わせによる後からの参列、列内での割り込み、座り込みはご遠慮くださいませ。
※劇場販売・WEB販売ともに数に限りがございますので、品切れの場合はご了承ください。

ノベルティプレゼント

対象公演をご観劇いただいたご来場者様全員に、
ミュージカル『SUNNY』オリジナルノベルティをプレゼント★

♪ノベルティ[1]

80年代 J-POPSに彩られた“あの頃”の思い出を込めて… 「ミニフェイクレコード」 をプレゼント

対象公演
東京公演…7月3日(月)13:30、7月4日(火)18:30
大阪公演…7月10日(月)13:00
プレゼント内容
ミニフェイクレコード
小さくてレトロで可愛いフェイクレコードは、インスタ映えのアイテムとしてはもちろん、Cafeタイムのコースターとしても使えます♪
  • ノベルティ使用例
    ※お店に許可をいただき撮影しています

♪ノベルティ[2]

私にとっての“SUNNY”の瞬間を刻む… 「アクリルフォトカード」 をプレゼント

対象公演
東京公演…6月26日(月)18:30、6月27日(火)13:30、6月28日(水)13:30
大阪公演…7月11日(火)13:00
ご好評につき7月12日(水)18:00 も対象となります!
プレゼント内容
アクリルフォトカード
80年代の“可愛い”をキュッと詰め込んだフォトフレームになっています★
日常の様々な一コマを、アクリルフォトカードと共に写真に刻んでください♪
  • ノベルティ使用例
    ※お店に許可をいただき撮影しています

注意事項
※オリジナルノベルティは、お一人様おひとつのプレゼントになります。
※ノベルティは2種類となり、対象日時によりノベルティの内容が異なります。
※対象公演にご観劇いただけるお客様がプレゼントの対象となります。
※破損・汚損以外の交換は出来ません。

イベント

『SUNNY』制作発表会見実施のお知らせ

『SUNNY』制作発表会見の実施が決定いたしました。
会見では出演者の登壇とパフォーマンスを予定しております。この制作発表会見に抽選でご招待いたします!

会見概要

■日時
2023年6月14日(水)11:30開始予定

■場所
東京都内某所 ※当選者の方にメールにてご連絡

■登壇者
西田征史(脚本・演出)
花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁

ご参加方法

お申込みは締め切りました

受付期間
2023年6月2日(金)PM12:00~6月6日(火)PM12:00
当選発表
2023年6月8日(木)夕方
注意事項
※どなたでもお申し込みいただけます。
※お一人様1名につき1回のお申し込みとさせていただきます。
※複数回申込をされた場合は最後に申込をいただいた1件分のみが有効となります。
※未就学児童はご入場いただけません。
※応募多数の場合抽選となります。
※ご当選の権利はご本人様にのみ有効(譲渡・売買禁止)となります。
※当日はご本人確認をさせていただく場合がございますので身分証をご持参いただきます。
※当落に関するお問合せには応じかねますのであしからずご了承ください。
※会場までの交通費・宿泊費などはお客様のご負担となります。
※当日の制作発表会見の模様は公式サイトやニュース媒体などで紹介されますのでご参加のお客様が写真や映像に写り込む場合がございます。
※会見中は撮影可のご案内がある場合を除き許可の無い撮影ならびに録音は固くお断り申し上げます。
※会見開始後の途中入場はお断りする場合がございます。
※登壇者は急遽変更となる場合がございますので予めご了承ください。
お問合せ
梅田芸術劇場
TEL:0570-077-039(10:00~18:00)

舞台写真

※画像をクリックすると拡大画像がご覧になれます。

撮影:岸隆子(Studio Elenish)

PAGE TOP